僕はいつも広すぎる範囲からモノを考えてしまうのですが、そんな僕の範囲も大きく飛び越える場所からアイデアを飛ばしてくるのが、仕事上でもパートナーである嫁でして。
彼女はすごく、「ちょっとずらした視点」がうまいんですよ。僕の「執拗なまでに削っていく」というようなアプローチとはまた違って、いかに面白い視点でモノをとらえられるか、というところがすごく得意。そうした視点から猫の一列モビールや、南極北極のコップなど、ロングセラーなものが生まれているので、一目置いています。
そんな嫁が、ある日言いました「ピンズはどう!?」
…!?
アウトドアグッズを考える時に、少なくとも僕は「アウトドア→キャンプ→道具」というルートは辿って考えていました。そこでなんでピンズやねんっ!…と、最初は思いましたが、よくよく考えると非常に面白いアイデアだったんですよ。
・アウトドアの道具、特にリュックなどの布モノにはピンズをつけたりする。
・付けるピンズのモチーフは、当然ながら自分の好きなものである。
・じゃあ、アウトドア道具をモチーフにしたピンズがあれば、アウトドア好きは欲しいはず。
うーむ確かに確かに。
しかも、山道具に付けるだけでなく、普段使うものに付けたりしたら、さりげにアウトドア好きをアプローチできたり。これは面白い!嫁、さすが。
ノベルティとしては定番の部類なので、作ってもらえる会社は沢山あります。なので製造は特に不安はなかったんですが、絵をどうするか、そこが悩みどころで。そんな中、偶然ある作家さんに出会いました。名前は山根英治さん。
https://www.facebook.com/studio-CONTE-1476826425938181/
彼はなんと、紐で版画を作る人なんです。上のカワイイイラストも、一度紐で版画にして、刷ってできてるんです!
ピンズのイラストって、単に単純化するだけじゃないんですよ。単純化した上に、色と色とを分けているフレーム部分も消化した上で絵にしないといけない。僕もイラストは描きますが、微妙に太刀打ちできない世界だったんです。
そこにきて、この紐版画!!なんという出会いでしょう。そしてなんと、ピンズの原画の制作を打診したところ快諾いただき、YOKAのピンズシリーズが出来上がっていったのでした。