UPDATE 2024/08/11
こんにちは。YOKAの角田です。
これを書いているのは8月11日。宮崎、神奈川と連続して大きな地震があり、「南海トラフ地震臨時情報」が発表され、にわかに日本中が災害対策に対する情報で沸き立っています。
売上げが下がってしまったキャンプ業界の起死回生の一手として、キャンプグッズを「防災用品」として販売する戦略を始めているお店やメーカーもありますし、スーパーやホームセンターでは早くも「防災グッズ」をコーナー化したりなど、お盆のさなかにいろいろと忙しい変化が起こっています。
防災グッズを備えることはもちろん否定しません。ですが、使ったこともないグッズを、果たしていざという時に使えるでしょうか?そして、その防災グッズは、いざ災害が起こった時にきちんと手元にあるのでしょうか?
僕が言いたいことのまず1つめ。それは「グッズをただ持っているということで安心してはいけない」ということです。備えがあっても、それが使えないと意味がありません。
南海トラフ地震が起こった際の被害は、とてつもなく大きいと予想されています。最初からすべての人を救助するのは、物理的に無理だと。だから最初の1〜3日を、いかに自力で生き延びるかが重要だと言っている方がいました。(参考:https://youtu.be/TEsEtgU7eQM?si=3FyCq_SRpyvxsdAi )本当にそのとおりだと思います。
家が倒壊してしまったと想定しましょう。運良く防災グッズも持ち出せたとしましょう。ですが最悪の場合、3日間外で過ごさなければいけません。普段、まったくもって普通に生活している人が、初めて使う防災グッズをただ手にしただけで、3日間、生き延びることができるでしょうか…?
これを読んでいるような皆さんはこう思ったはずです。
「いやまあ、できるっしょ?」
そうなんです。できるんです。なぜか?それは皆さんが「キャンパー」だから。初めての土地の、しかも屋外で、布一枚で一晩を過ごす。そんな”過酷な”状況を乗り切るということを「楽しい」と。そんな状況に身を置くことが「嬉しい」と。そんな心持ちを持って、屋外で過ごした体験を、すでに自分の中に持っているからなのです。
キャンプに不測の事態はつきもの。やれ何々を忘れただとか、環境的に今回は良くないだとか、そういうことがあっても、乗り越える楽しさ。それを皆さん知っていますよね。そして、意外に普通の人は知らない、根本的な知識も持っています。「生木には火がつかない」「雨が溜まるところにテントは張らない」なんてごく当たり前のことも、キャンプ未経験者は知らない可能性があるのです。つまり、僕が言いたいことの2つめ、もっとも重要なことはこれです。
「一番備えるべきものは、グッズよりも”マインド”である」
経験があれば、不安も軽減できます。知識があれば、予測もできます。培ったマインドで、不足した資材を創造的に使って状況を乗り切ることもできます。
キャンプって、設営撤収に慣れてしまえばただただ「楽しい屋外パーティ」です。冒険しているわけでもなく、ただただ飲んで食べて楽しんでいるだけ。でも実はそこは、インドアだけでの生活では決して手に入れられない「経験」と「知識」の宝庫なのです。それが、楽しさの中で手に入れられるなんて、本当に素晴らしいことじゃないですか。
みなさん、キャンプしましょう!新しく友達も誘いましょう。
悲壮感ではなく、前向きに楽しく、防災マインドを育む。僕らキャンパーだからこそできることが、きっとあると思います。
#転載、引用はご自由に。